健康教室(糖尿病と歯周病)

宇都宮市保健センターで行われました健康講座に行って、講師としてお話しをさせていただきました。

講座は「知らないとコワイ歯周病と全身疾患の深い関係」というタイトルでした。

参加者の平均年齢は71歳で、約15名の方が私の話に耳を傾けてくださいました。

講座の具体的な内容から、前回はその第1回目として、「健康寿命を伸ばすためには」と題してお話しさせていただきましたが、今回は「歯周病と糖尿病との関係」についてお話し致します。

まず糖尿病についてですが、皆さんも良く耳にする糖尿病とはどの様な病気なのでしょうか?

糖尿病の定義は、「ブドウ糖が細胞に取り込まれないため、血糖が持続的に上昇した状態」です。

ですから血液中にはブドウ糖は充分にあるのに、肝心な細胞の中は栄養失調になっているのです。

もう少し簡単に説明しますと、人間は身体を動かして生活するには各器官の細胞に糖分か必要です。そしてその糖分は膵臓で作られるインスリンの働きによって血管内の糖分を各器官の細胞に運んでくれているのです。

しかし糖尿病の患者さんは、血管の中にはたくさん糖分はあるのですが、肝心な各器官の細胞には糖分がいき届いていないのです。

ですから血液の中の糖分の量を調べるとその値(血糖値)が高いのです。

原因としては

  • インスリンの分泌が悪い
  • インスリンの効きが悪い

また日本人の糖尿病が強く疑われる人の数•••950万人、

糖尿病の可能性を否定できない人の数

•••1,100万人

といわれています。

この糖尿病は脂質異常症とともにvirtual diseaseといって自覚症状かないため、自分が糖尿病になっていることに気がつかず、検診などで医者に言われて初めて「自分は糖尿病だったんだ」と知らされる病気なのです。

この糖尿病の恐ろしいのは、糖尿病だと気づかずに放置すると、糖尿病の合併症として他の病気になってしまうのです。

代表的な糖尿病の3大合併症は

①神経障害(し)

②糖尿病性網膜症(め)

③糖尿病性腎症(じ)

この3つの頭文字をとって(しめじ)と覚えて下さい。

ところで私が日常、歯科の診療をしている時に進行した歯周病の患者さんに出会います。

その様な歯周病の患者さんに糖尿病ですか?と聞くとやはり糖尿病の事が多いのです。

また、糖尿病の検査をしていないのでわかりません。と言ってくる患者さんも多いのですが、

そのような患者さんに、是非とも内科での検査をしてもらって下さいとお勧めすると、その後やはり先生が言ったとおり糖尿病だったというケースも多々あります。

ですから、歯周病と糖尿病とは密接な関係にあるのです。

現在、糖尿病の患者さんはHbA1cを測ります。HbA1cは糖化ヘモグロビンがどのくらいの割合で存在しているかをパーセント(%)で表したものです。

 HbA1cは過去1~2ヶ月前の血糖値を反映しますので、当日の食事や運動など短期間の血糖値の影響を受けません。ですから検査の前に食事や運動を慌ててやってもあまり効果がなく、偽りのない、そしてごまかしの効かない値なのです。

歯科治療において抜歯や手術を行う時もこのHbA1cの値を指標に抜歯やインプラント治療などの外科処置の是非を判断しています。

•一般的に HbA1c 7.0%未満であれば通常の観血処置は許容されることが多いです。

8.0〜9.0%以上では感染や治癒不全のリスクが高くなるため、緊急でなければ処置は延期して血糖コントロールを優先します。

では、どうしてHbA1cの値が高いと外科処置が行えないのでしょうか?

HbA1cが高い=血糖コントロール不良 → 感染リスク↑、治癒遅延、止血不良、全身合併症悪化

このため、観血処置は可能な限り避け、まずは内科的にコントロールを整えてから行うことが推奨されます。

簡単に言いますと、その方のHbA1c値に30を足しての体温と考えます。例えば、HbA1cが8.0の方だとすると、この8.0に30を加えると38になります。発熱していて38°の方に外科処置をすることはあり得ませんよね。

ですから歯科における外科処置をする前に是非とも内科で血糖コントールをしてくださいと言っています。

余談になりますが、現在、糖尿病の患者さんに対してこのHbA1cの値が治療の指標になっていますが、最近では高感度CRP(高感度C反応性蛋白)の値から糖尿病の指標にもなるのです。このCRP検査とは炎症マーカーであり、感染、化学的要因、物理的要因、アレルギー反応など何かしらの要因で身体に炎症が起きているとこのCRP値が上がってきます。ですから、このCRPを測ることで、歯周病は歯肉の炎症ですから、歯周病の有無や改善度もわかります。更にはこのCRPを測ることで、血管の炎症とも考えられている脳梗塞、心筋梗塞のリスクもわかるようです。

 

さて、糖尿病の患者さんは低血糖になることがあります。これは歯科の治療をしている時にもあり得ます。低血糖になると

• 発汗(冷や汗)

• 動悸・頻脈

• 手の震え

• 不安感・イライラ

• 顔面蒼白

• 空腹感

•     集中力低下、眠気

•     ろれつが回らない、言葉が出にくい

• 視覚異常(かすみ目、二重に見える)

•     異常行動(怒りっぽい、もうろうとする)

• 頭痛、めまい

•  けいれん、意識消失(重度の場合は昏睡へ)

このような交感神経、更には中枢神経症状が現れます。

※皆さん!

糖尿病なんだから当然血糖値が高いのに何で低血糖なの?といった疑問を持たれると思います。

糖尿病は生活習慣病ですので、まずは糖尿病初期の方は運動療法、食事療法を優先させます。すると血糖値は下がり血糖値かコントロールされます。

問題になりますのは、この運動療法、食事療法をやったにもかかわらず、依然として血糖値が高い方が問題になります。

そのような方に対して、医師は「あなたは運動療法、食事療法をやっても効果がありませんので、糖尿病の薬を飲んで血糖値を下げていきましょう」と言われます。

この糖尿病に薬の力を借りている方が対象になるのです。

つまり「薬の量 > 食事・運動による糖の供給」になったときに、特に空腹時に低血糖になってしまうのです。

余談になりますが、最近糖尿病で使用されている薬剤で問題になっている薬で「マンジャロ」があります。日本では現在、2型糖尿病治療薬としての承認しかなく、肥満のみを対象とする保険適用はなし。にもかかわらず、美容クリニック等で「やせ薬」として使用されるケースが増えており、そうした目的外使用には副作用(膵炎で死亡例も)や中止した後のリバウンド、長期安全性のデータ不足、法的・制度的なリスクがあります。  

私見ではございますが、金銭的負担はかかりますが、薬物治療と生活習慣改善をうまく組み合わせることで、大きな健康改善につながるのではないでしょうか?

 

まとめとなりますが、糖尿病は初期には症状が出ないので、無自覚のうちに進行する病気です。
血糖コントロールがうまくいかず高血糖が続くと、さまざまな合併症をもたらし、その合併症が生活の質を大きく低下させてしまいます。


歯周病も糖尿病の合併症のひとつであり、一般の人より2〜3倍も歯周病にかかりやすくなります。
また歯周病が進行すると、歯を失うリスクが増えます。歯を失うと柔らかい食べ物ばかりを好むようになり、栄養バランスが悪化。血糖値にも悪影響を及ぼしてしまうのです。
このように、糖尿病と歯周病には深い関係性があります。ですから糖尿病患者は、歯周病の予防や治療に積極的に取り組むことが大切です。

 

「フロスのお話」

みなさん、こんにちは。

歯科衛生士の人見です。

寒い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。

とはいえ、例年に比べて暖かい日も多く気温差がある為に体調管理が難しいですね。

今回はフロス(糸ようじ)のお話をしたいと思います。

日々のお口のケアで歯ブラシ以外にご使用の物はありますか?

一般的に歯ブラシで落とせる汚れは60%と言われています。

そこで、補助清掃用具を使って歯磨きの効果をさらに高めていただきたいのですが、

補助清掃用具とは…

①フロス

②歯間ブラシ

③タフトブラシ

のことを言います。

簡単に取り入れられるのはフロスやタフトブラシなのですが、

まずはフロスを使って、歯ブラシの届かない部分『歯と歯の間!』をケアすることをオススメします。

持ち手がついたタイプと、手に巻きつけるタイプがあるのですが、初めての方は持ち手のついたタイプが使いやすいですよ!

慣れてきたら手に巻きつけるタイプを使用してみてください。

歯垢(プラーク)も取りやすく、清掃性も高く、何より経済的です!

また、フロスにはワックス付きタイプとワックスなし(アンワックス)タイプの物があります。

⚫︎ワックスタイプは名前の通り、ワックスでコーティングされている為滑りが良く、歯と歯の間に入れやすいので、初めのうちはこちらを使用していただくのがいいかと思います。

⚫︎アンワックスタイプはワックスが付いていないので、ワックスタイプに比べて滑りづらく切れやすいので、使用するのに多少技術はいりますが、その分歯面に沿って広がるので歯垢(プラーク)除去率が高く、より効果的です!

オススメのフロスや、使い方等で不明なことがありましたらお気軽にご質問くださいね!

2025年もあと僅かです。

本年も大変お世話になりました。

2026年も皆さんの口腔ケアに寄り添えるよう精進いたしますので、よろしくお願いいたします。

今のうちに検診に行きましょうー!

こんにちは!

歯科衛生士の小森です。

治療が終わったあと 私たちは患者さんに “また検診でお待ちしてます”と伝えてますが、なぜ定期検診が必要なのかをお話します!

歯科検診は

「痛くなってから行く場所」ではなく、

“痛くならないために行く場所” です。

☆なぜ検診が必要なのか?

歯は、虫歯や歯周病が「痛みが出る頃」には、すでに症状が進んでいることが多く、治療期間も長くなりがちです。

定期的に見ておくことで、

   •小さな虫歯を早く発見できる

   •歯石を取り、歯周病を防げる

   •磨き残しのクセがわかる

   ・歯ぎしり・噛み合わせの異常も気づける

など、トラブルを未然に防ぎやすくなります。

「特に痛くないけど、最近歯医者に行ってない」そんな方こそ、秋のうちにお口をチェックしておくのがおすすめです。”食欲の秋”とも言いますし、年末にかけて美味しいものを食べる機会は増えると思います。年末前は予約が取りづらくなる可能性もありますので、

是非このタイミングでご来院ください!!

 

 

「つめもの・かぶせもの が外れたら」

つめものやかぶせものが外れた場合、
自己判断で対処せずになるべく早く歯科医院を受診することが大切です!
(当日、ご予約が埋まってしまってる場合、お待たせしてしまうことや別日にご案内することがございます。)


避けた方が良いのは…

①痛くないから放置
むき出しになった歯に細菌が感染することで、むし歯や歯周病が発生し、悪化する可能性があります。
また、外れたままの歯で食べ物を噛むと、歯が割れたり欠けたりすることがあります。


②接着剤を使って自分でつける
外れるには理由があります。自己判断で処置を行うとさらに歯に悪い影響を及ぼすこともあります。
不便に感じても外れた部分で噛まない。など、受診するまで気をつけてお過ごしください。


③外れたつめもの・かぶせものを捨てる
外れたつめものやかぶせものは、再度装着できる可能性があります。
汚れがついている場合にはガーゼ等で拭き取り、受診まで袋などに入れて保管をお願いいたします。
そのままご持参ください。

歯科衛生士の人見でした!

健康教室

 

こんにちは。

宇都宮市保健センターで行われました健康講座に行きまして、講師としてお話しをさせていただきました。

講座内容は、「知らないとコワイ歯周病と全身疾患の深い関係」というタイトルでした。

参加者の平均年齢は71歳で、約20名の方が私の話に耳を傾けてくださいました。講座の具体的な内容から今回はその第1回目として、「健康寿命を伸ばすためには」と題してお話しさせていただきます。

この画像は1970年代に手塚治虫氏が描いた「男の一生、女の一生」というマンガです。

ここで注目していただきたいのはこの当時の女性は、25歳で結婚していないとオールドミスと言われていたのですね。50歳で老眼でものが見えなく、55歳で歩くのに杖を使い、60歳で歯が抜け落ちて「フガフガ」といった時代だったのですね。

漫画「サザエさん」に出てくる波平さんの年齢設定は54歳だそうです。

では、この頃の1970年の日本人の平均寿命と現在の平均寿命と比較してみましょう。

現在の日本人の平均寿命は男性は81.47歳、女性は87.57歳です。だいぶ平均寿命が延びてきたことが分かります。

ところが健康寿命といって健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる年齢と平均寿命を比較してみましょう。

日本人の健康寿命は男性は72.7歳、女性は75.4歳となっています。このことから男性は8年間、女性は12年間もの間不健康な状態で寿命を迎えることになります。

ですから、寝たきりの状態で何年もベッドの上で生活して、周りの方々のお世話(介護など)になっているのも考えものです。

そこで、若い時のようになんでも自分で行動、生活できる、健康寿命を伸ばすことがとても大切なことです。

ではその健康寿命を伸ばすためにはどうすれば良いのでしょうか?

これは実は裏を返して考えてみましょう。

健康寿命を短くしてしまう要因はフレイルになってしまうことです。

フレイルとは英語で虚弱を意味していて、健康と要介護の間の状態です。

さらにはこのフレイルは3つに分かれます。

①社会的フレイル

②身体的フレイル

③精神的フレイル

フレイルは加齢により生じる身体の変化だけでなく、うつ(鬱)や認知機能の低下などの「精神的な面」、家に閉じこもるなどの「社会的な面」など、さまざまな要因が重なって引き起こされると言われています。ここで注意していただきたいのが、健康→フレイル→要介護になってしまいますが、逆に生活習慣などを改善すると要介護→フレイル→健康にもなるということです。いわゆる可逆的な改善か可能となってきます。ですからフレイルになってもあきらめずに健康を取り戻すよう努力してみましょう。

健康を取り戻すためにはよく栄養を摂ることが最重要になるのではないのでしょうか。

またこのようなデータがあります。

よってむし歯がなく歯周病にもなっていない(あるいは歯科医院にて治療済み)人ほどフレイルにもなりにくく、健康寿命か伸びる傾向にあるのです。

ところで歯を失う原因はなんででしょうか?

上の図でもわかるように歯を失う原因の1位は歯周病です。

ですから普段からよく歯を磨き、お口を清潔に保ち「歯周病」「むし歯」にならないようなケアが大切なのです。そして歯科医院での健診を受けることが重要となります。ご自身でやっていただくセルフケアと健診時に歯科医院でやるプロケアと両方大切になります。

宇都宮市では8020運動の一環として、80歳で20本以上の歯が残っている健康な方を毎年表彰しております。(今年も6月に歯とお口の健康週間)

毎年私の歯科医院から8020達成者を推薦しておりますが、そのような歯の健康な方を見ていると共通点として、毎日よく歩き(散歩など)活動的であり、姿勢がとても良く、更には表情も明るくイキイキとしていて、認知機能がとても高く、はっきりとした発音で会話できるのです。

そして歯科医院での健診も欠かしません。これで歯が健康であれば健康寿命が延びて、充実した生活が楽しめることはご理解いただけたかと思います。

第1回目の私のお話しはこれで終わりとします。

第2回目は「歯周病と糖尿病との関係」についてアップしたいと思いますのでよろしくお願い致します。